【制御】標準報酬月額を知り、手取りを増やす



サラリーマンになったら知っておきたい厚生年金保険料算出方法
一般的なサラリーマン(自営除く)の方は、毎月決まった額が給料から天引きされていると思います。
所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、労働組合加入料…。給料の1/4~1/3程度は額面から天引きされていると思います。
今回の日記は、天引き額を減らし、手取りを増やすための方法の話です。

給料明細の天引き内容を確認すると、特に天引きが大きい額があります。それは、厚生年金保険料です。
天引きの大半は、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料ですが、特に厚生年金保険料の割合はかなり大きいと思います。
天引き額は、個人の収入額によって決定されます。しかし、各種天引き額の算出方法はそれぞれ異なります。

所得税は都度給与の支給額、住民税は昨年の収入(1/1-12/31)によって決定されます。
ところが、健康保険料、厚生年金保険料は昨年の収入(1/1-12/31)によって決められません。

健康保険料、厚生年金保険料は、都道府県別の標準報酬月額によって決定されます。
標準報酬月額は、健康保険法第41条第1項のことを示しています。内容は以下の通り。

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健康保険法第41条第1項
保険者は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において
同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、
かつ、報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く。)

に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定する。
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つまり、標準報酬月額は、4/1-6/30に支払われた報酬支払によって決定されるということです。
ポイントは給料ではなく、報酬支払であることです。要するに、月額給料、残業代だけでなく、通勤費も元に算出されます。

所属税や住民税が年間の収入で決まるなら、健康保険料、厚生年金保険料も年間で決めれば良いのでは?
…と思いますが、そこは日本の縦割り行政です。算出計算をまとめて効率的に行うという発想がありません。
民間企業で働くとわかりますが、公務員のこういう仕事は、お役所仕事と言われる所以です。
役所にはできるだけ無駄な仕事を作り、給料を得るという発想があります。要するに、お金を生み出す力がない、ということです。

本来、給料は新しい挑戦をして新しいアイデアを生み出し、お客様に使ってもらう、ということでもらうべきです。
これは非常に難しいことです。しかし、給料をもらうためには、このようなことは本来必要なことです。
同じことをし続けていても、長い目で見ればじり貧になります。最近だと、リ〇ーがニュースになりました。

自分がどのようなことにお金を使うか?それを考えれば、お金をもらう立場として、如何に給料を稼ぐことが大変かわかります。
将来、世の中の投資がどこに流れるかを予測し、そこをターゲットに仕事を作り、給料を確保する。民間企業に求められる力です。
つまり、将来の仕事の流れの予測を外すと、一気に会社は衰退してしまいます。東〇は将来事業予測に失敗したということです。
お金を安定して稼ぐことは大変なことです。

ところが役所の収入は税金から出ます。新しい発想でお金を生み出す、という発想はありません。国の借金額がその証拠です。
役所の仕事は、如何にお金を生み出すか?ではなく、如何にうまいこと国民から税金を搾り取るか?という発想です。
不景気にも関わらず、消費税をはじめとする増税が決定される理由は、国の仕事がお役所仕事だからです。

このことは、標準報酬月額の仕組みにも表れています。
『報酬支払の基礎となった日数が17日未満である月があるときは、その月を除く』という一文がそれを示しています。
標準報酬月額が3カ月の給料で決定されることを知っている人が転職を考えた場合、あることを考えると思います。

『例えば、2/28に前職を辞めて、4/1から新しい仕事を始めたら1か月分の標準報酬月額が減るのでは』

しかし、17日未満の就業日数の月がある場合は、その月は標準報酬月額の算出根拠になりません。
例えば、4月の報酬30万円、5月の報酬0円、6月の報酬30万円として、標準報酬月額が(30+0+30)/3=20万にはなりません。
5月の報酬根拠から17日未満の就業日数であることは確定だと思いますので、ここは算出根拠から外されます。

この場合の正しい標準報酬月額は、(30+0+30)/2=30万になります。
したがって、30万円を根拠に厚生年金保険料、健康保険料が決定されるということです。
私には、この一文はお金を絞り取るために作成された一文にしか見えません。これも国の仕事がお役所仕事である所以です。

ちなみに、標準報酬月額算出根拠が4/1-6/30になる根拠や通勤費が含まれることについて、厚生労働省の見解は以下です。

●仮に1年間の期間で算定した場合、事業主や保険者に多大な事務負担が生じることになる。
●4月から6月という期間は、賃金の安定度が比較的高い月である点を考慮している。
●標準報酬月額に含まれる報酬は名称を問わず労働者が労働の対償として受け取る全てのものと健康保険法第3条で規定している。
●通勤手当は使用者が支給することを法律上義務づけていない。
->現に通勤手当の支給がない事業所も存在する点を考えると社会保険料の算定の基礎となる報酬に含まれるべきものと考える。

会社が通勤費を支給する理由は、『業務を円滑に進めるために従業員に補助するもの』という考え方があるからです。
つまり、この考え方がない会社には、通勤費が支払われないということになります。

アルバイトを考えると良いと思います。実は標準報酬月額はアルバイト報酬も根拠になります。
アルバイトだと、通勤費補助は〇〇円まで、ということが少なくありません。補助額に上限が設定されています。
通勤費が0円のケースもあるでしょう。このように考えると、通勤費は標準報酬月額算出根拠になっても普通のように聞こえます。

しかし、一般の会社で通勤費が支給されない会社は小数派でしょう。アルバイトも算出根拠に入れるのはおかしい気がします。
アルバイトは得た収入から天引きは一切ないように見えるかもしれませんが、それは103万円の壁があるからです。
103万円の壁については知っている人が多いと思います。
一方で、103万円を超えると税金を取られる以上のことを知っている人は少ないような気がします。
このように考えると、通勤費を標準報酬月額算出根拠に含めるのはどうなんだろうか?ということはあります。

『4月から6月という期間は、賃金の安定度が比較的高い月である点を考慮している』も言葉をうまく変えているだけだと思います。
4月から6月の毎月26日に支払われる給料の算出根拠となる労働根拠がどこかというと、4月から6月ではありません。
通常、会社の月度の切り替えは20日です。つまり、4月から6月の給料の算出根拠は2/21から5/20までに働いた期間になります。

多くの会社は3月~4月は年度の切り替えのため、残業が発生しやすい時期です。
事務作業が多数出て来る時期であり、納期設定や契約切れ等もかぶりやすい時期で、1年間で最も仕事が発生しやすい時期です。
そこに標準報酬月額の算出根拠を持って来る、ということは、標準報酬月額は月の平均報酬より高くなりやすいということです。
国がやっている仕事は、国民から少しでも多く税金を搾り取るための知恵を出すことなのではないかと思ってしまいます。

『事業主や保険者に多大な事務負担が生じる』から、事業負担を減らすために3カ月分(4月-6月)で標準報酬月額を計算する。
これが厚生労働省の言い分です。これもとって作った言葉にしか見えません。
事業負担を減らすという理由が通るなら、所属税や住民税と一緒にまとめて社会保険料の算出をすれば良いからです。

かつて民主党が政権を取った時に歳出削減のため事業仕分けをしましたが、本当にメスを入れるべきはこっちだと思います。
事業仕分けによって研究費を削られたところが多く、将来的に日本の技術力は更に落ちてしまう危険性は高いと思っています。
資源が少ない日本にとって、国力は技術力に依存する部分があります。将来的に、更にお金のない国になってしまうと思います。
自分たちに甘く、他人に厳しい。まあ、これは多くの人にも言える話ですが、自分に甘く、他人に厳しい人が日本は多過ぎです。
過去の自分への甘えは、現在の負担、将来へのツケです。私はこれを身を持って知っています。


一方で、モノは考えようです。標準報酬月額は4/1-6/30の期間を根拠に決定されます。
つまり、2/21-5/20の期間は、可能であれば残業は極力控え、4/1-6/30は出張も可能な限り控えるようにします。
これはその時の仕事状況に依存するために制御が難しいですが、個人の裁量で制御可能な部分もあります。

例えば、SEとして営業日に毎日出張している人の場合、6/21-6/30の期間の出張費申請は7/1以降に会社に申請します。
すると、6月中に会社から出張費が支払われないため、標準報酬月額を減らすことができます。
6/20までの分は月度の締めのため、出張費申請せざるを得ないですが、このように制御可能な部分もあります。


ここで具体例を出したいと思います。計算しやすいように、年収は500万円(ボーナス140万円)で計算したいと思います。
標準報酬月額の算出根拠にボーナスは含まないようになっています。したがって、ボーナスを除く360万円を基準に考えます。
360万円の内約は、ベース20万円/月、残業代10万円/月とし、これを1年間この数値のまま維持したとします。

ここで、下記URLを参考に、都道府県別の標準報酬月額を確認します。
http://www.team-cells.jp/hyoujyun/hyoujyunhousyu.php

この場合、例えば、神奈川県の標準報酬月額に注目すると、等級は22に該当します。

等級:22
報酬月額:290,000 ~ 310,000
標準報酬:300,000
健康保険:14,865
介護保険:2,475
厚生年金:27,273

となります。介護保険は現在の制度では満40歳以上で必要な支払いのため、今の私の場合はこれは関係ないですね。
(病院を利用しにくい健康な人は、健康保険料の負担を下げる法律の提案がありましたが、早く提案して欲しい…)
介護保険を除くと、1年間の天引き額は、14,865×12+27,273×12=505556円となります。

では、ここで月の残業の内約が1月~6月が毎月20万円、7月~12月が毎月0円の人の場合、どうなってしまうか?
この場合、神奈川県の標準報酬月額は等級が27になります。

等級:27
報酬月額:395,000 ~ 425,000
標準報酬:410,000
健康保険:20,356
介護保険:3,383
厚生年金:37,273

この場合、介護保険を除くと、1年間の天引き額は、20,356×12+37,273×12=691548円となります。
前者と同じで年収は500万円(ボーナス140万円)だとしても、何と年間の天引き額差は 691548 - 505556 = 185992円にもなります。
このように、4月から6月の報酬によって、1年間の手取り額が大きく変わってしまう訳です。

所得税や住民税など、他にも天引きされるものがあります。給料の20-30%は日本は役所が持って行ってしまう訳です。
天引きで減らすことが可能なものがあれば極力減らした方が良いでしょう。日本は推進課税制度であることもあります。

2/21-5/20は残業を極力控え、4/1-6/20は出張を極力控え、6/21-6/30の出張旅費は7月に申請する。
これが最も手取りが多くなる方法ということになります。


私個人の話ですが、昨年は事業部の都合でこの時期はかなり働いてしまいましたが、今年は自己裁量で残業を減らしています。
標準報酬月額の改定は、会社が給料改定を4月から適用(7/1改定)として、10月から開始されます。
このまま行けば、今年は昇格で月収が数万円近く上がるにも関わらず、月々の天引き額は減少すると思います。

今の日本の年金制度では、納めたところで、ほとんど返って来ないと考えます。
少子高齢化が加速度的に進んで、年金支給年齢が私の時は75歳とかになっている気がします。
年金は納めた分だけ戻って来ないと考えれば、今はこれが最も体に負担のかからない正しい働き方です。
国に払う税金、年金、保険料は極力減らした方が良いでしょう。


[ 2017/04/26 00:00 ] プライベート | TB(0) | CM(0)

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