【感想】恋は雨上がりのように



心の葛藤を描く良作
ニセコイ、げんしけん…と、最近次巻が楽しみで買っていた漫画が立て続けに終わりました。
これによって、定期的に買っている漫画が事実上、消滅しました。
(苺ましまろ、よつばと等、他に集めている漫画はありますが、一度新刊が出ると、数年は次の新刊が出ないため、ノーカウント)

エロいだけ、戦っているだけ、みたいな感じの漫画はあまり好きではなく、キャラの深い心理描写がある作品が個人的な好みです。
"深い"。これは私の中ではかなり重要なウエイトを占めています。


自分の求める理想がある。周りの期待値もある。しかし、うまく行かないこともある。もどかしくなる。
どうしたらいいのかわからなくなる。自分がどうしたいのかわからなくなる。自分の気持ちがわからなくなる。
いわゆる、モラトリアムな偶像劇な私は好きです。

モラトリアム。一言でいうと簡単ですが、実はモラトリアムの意味がきちんと即答で説明できる人は少ないような気がします。
ここで、モラトリアムの意味を確認したいと思います。

□モラトリアムとは、身体が肉体的、知的、性的に大人になっても、大人として社会に出ることを延期している状態
□モラトリアム人間とは、人生の選択を避け続けるような青年のこと
□モラトリアムを抜け出すには現実を受け入れることが第一


『何故そんなことをするんですか?』
『何故そう考えるんですか?』
『そういうことをするのは止めて下さい。空気が悪くなります』

過去に仕事、勉強、人付き合いがうまく行かなかった時、近くの人にこのように言われたことが何回かあります。

『いや、逆に何故そんなことを言えるんですか?』
『何故、自分にだけそういうことを言うんですか?』
『自分が他の人にどう思われているか?どう思われるか?人の気持ちを考える力がないように感じるのだが、何故なんだ?』

これまでの人生経験から、人は自分を肯定できないと擦れてしまうことがわかりました。
周りの人を見ていてもこれは正しいと思います。
不器用だけど、ありのままの自分を認めて欲しい。うまく行っていないけど、努力している自分を認めて欲しい。

『このままだとマズイぞ。頑張らないと大学中退になってしまうぞ。就職できなくなるぞ』
『結婚しないの?年齢的にそろそろしないとマズイぞ。年齢的にも子供を持つことが難しくなるぞ』

そんなことは言われている本人が一番わかっているのだと思います。
これは日本人の良くないところだと思いますが、自分ができることは他の人もできると考える節があります。

就職の心配をしている人は、頑張れというだけで、仕事を持って来てくれる人はいません。
結婚の心配をしている人は、本人が結婚しているケースしかなく、本人の心配をして頑張れといっているだけで、紹介はしません。
つまり、日本人には優越感に浸りたい、正しいことを言っているのは自分である、そういう感情を持ちやすいということです。

本当に心配している人は、このようなことを言いません。
今度紹介したい人がいるんだけど?という感じで何も言わずに紹介話を持って来てくれます。
このようなことができる日本人は少ないと思います。

外国人と仕事するとわかりますが、日本の教育は外国とは明らかに違います。
外国は基本的に本人の長所を伸ばす教育をします。できることを伸ばすことで本人に自信を持たせる、ということです。

しかし、日本の教育はできないことをできるようにする教育をしていると感じます。
元々本人の苦手であることをできるようにするのは、その本人にとっては大変なことです。
テストでも、国語が苦手で数学が得意なら、数学で満点を取れるようにした方が合計点は上がると思います。

得意なことを伸ばせば、オールラウンダにはなれなくても尖った人間になれます。ふるいから落とされにくくなります。
できないことをのばそうとしても簡単には伸びないため、丸っこい小さな石にしかなれません。

日本の技術は凄い、海外企業傘下に入ると日本の技術が海外に漏れていく、というマスコミがいますが、リサーチが足りません。
現場で働いていないからわからないのだと思いますが、既に日本はかつての技術国ではないと思います。
欧州、米国、中国、韓国。色々な技術者に会いましたが、現状、技術力は日本より上になっていると感じます。


話が横に飛躍し過ぎましたが、人を肯定するためには、その人の長所を伸ばすことが一番良いと思います。
短所を無理に長所に変えようと思っても簡単ではありません。他人を否定しなければ自己を肯定できない人になってしまいます。
Amazonの評価で日本だけ否定しまくり、海外は肯定的な意見が多いという偏った傾向が出る理由は、そういうことだと思います。

小さな丸っこい石になってしまうと、やがて自己肯定ができなくなり、精神不安定になる一因になります。
これは、周りと馴染めなくなってしまう原因になってしまうような気がします。
人を否定する者は、否定しなければ自己を肯定できないところまで精神不安定になってしまっている状態です。

人には考え方に違いがあります。人類皆友達なんていう言葉は甘い幻想です。
一度何らかの原因で亀裂が生じると、それを修復することは容易ではありません。後腐れが出てしまいます。
日本には、昔、お見合い文化がありました。しかし、近年、お節介おばさんは大きく減少してしまいました。
減少した理由は、精神不安定な適齢期の男女が増え、面倒なことを進んでする人がいなくなってしまったからだと思います。

本来は心の葛藤は若い時に経験すべきだと思いますが、最近の人はそれを若い時に経験しにくくなってしまったのだと思います。
自分が持っていないものに対して、人は羨ましく思ってしまう傾向があります。
それに対して、自分に劣等感を感じてしまいやすいなってしまったため、人は自分に葛藤することになります。

傷つくことが怖くなる。この気持ちは本来若い時に清算すべきことだと思います。
ここを乗り越えないと、本当の意味での大人になれない気がします。


『恋は雨上がりのように』
コンセプトは、17歳の女子高生が45歳の冴えないおっさんに恋をするという、おっさんホイホイ設定です。
しかし、中身は全然違いました。最新7巻まで読みましたが、この作品は登場人物の心の葛藤に重点を置いている気がします。

青春時代に多くの心の葛藤を持ち、精神的にも大人になっていく。
最近なくなりつつある苦い青春を描いた作品だと思います。最新7巻まで夢中になって読んでしまいました。
青春時代にこういう葛藤をしておくべきだった。私は挑戦しなかったために30歳過ぎて葛藤をしていますからね。

NHKにようこそ!、聲の形のような不思議な魅力を持った作品だと思います。
読後感の良い漫画はなかなかないです。
これらの作品が好きな方にはオススメです!


[ 2017/04/25 18:10 ] プライベート | TB(0) | CM(0)

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